2012.01.01

九州旅行

恒例のお正月旅行、目的はJR九州・肥薩線乗車。ということで当初の目論見は元旦に新幹線で一気に鹿児島中央まで行き一泊。翌日に鹿児島から北上し人吉で二泊目と考えていたのだが、せっかく18切符購入したのに新幹線で鹿児島まで一気通貫はないやろ・・・。

確かに全通した九州新幹線に一度は乗っておきたい気持ちはある。でも、乗りなれた山陽路まで新幹線というのでは乗り鉄失格である。

大体僕は本質的に新幹線は好きではない。スピードと効率ばかり追求する新幹線には鉄道で旅するという感覚がまるでない。これは地上を走る航空機だ。

結果18切符をおおいに活用するという原点に戻って大阪から普通列車を乗り継いで下関で一泊、翌日これも普通列車でのんびり途中下車しながら博多まで行き、博多から鹿児島 中央まで新幹線に乗るというスケジュールに変更した。

1月1日8時00分大阪発播州赤穂行きの新快速で相生9:30、乗り換えて岡山10:40着。

去年と同じ岡山駅


なつかしい湘南色の115系。ホントに少なくなった。


全身まっ黄色一色になった115系。はっきり言ってセンスなし


岡山で一時間ほど小休止。後は糸崎、白市で乗り換えて下関19:18着。11時間かかって下関。さすがに疲れた。新幹線なら小倉まで乗って引き返しても2時間30分程度・・・我ながら物好きだワ。

下関の宿は下関グランドホテル。関門海峡のシーサイドに面したリゾートホテル。目の前は関門海峡。対岸は門司港である。いつものチープなホテルと違いちょっと贅沢。近くのカモンワーフという施設のレストランフロアでふく刺しとふく天と刺身の定食で一献。11時ころ就寝・・・疲れた・・・やっぱ歳だね。
1月2日朝9:20、ホテル目の前の門司港行きフェリーで対岸の門司港レトロへ。去年も来たけどこの界隈はほんとにいいところです。頭端駅の門司港が今日の乗り鉄の起点。

関門海峡の朝


下関唐戸市場。魚卸市場です。もちろん休場日


巌流島門司港行き渡船乗り場。右の建物が昨日泊まったホテル


門司側から見た下関


お馴染み門司港駅


各駅停車でのんびり2時間かけて博多まで。
下関・門司~博多間天気がころころ変わる。晴れたり曇ったり、そして時雨・・・。この地域は山陰の延長なんだなぁ~と実感。


時間があったので博多で撮り鉄~。ユニークな九州特急勢ぞろい

新幹線全線開業に伴い九州全域に散らばった787系


ソニック 883系


ハイパーサルーン783系


白いかもめ 885系


新幹線800系つばめ


これから乗るN700系さくら

13時41分博多発さくら551号で鹿児島中央15:09分着。

九州新幹線全線踏破の感想は?
はっきりいってつまらない。とにかく車窓を期待しても無駄。たしかに博多~鹿児島1時間30分は便利で後の旅程も柔軟に設定できそうなんだけど・・・。

とにかく無味乾燥な山陽新幹線以上につまらない。トンネルばかりなのはともかく、外を走っているときも環境に配慮して高いフェンスを沿線に張り巡らしており殆どトンネルと同じ。景色が見えない。

今回は乗れなかったけど、博多~鹿児島のみで運用されている800系電車が素晴らしいだけに残念な感じ。もっともJR九州はいろんな観光列車を走らせているのでそちらを主にして新幹線はそれらへのアクセスツールと割り切った方がいいんだろうね。

ホテルのチェックインまで時間があったので市内をほっつき歩く。維新のいろんな歴史施設があるんだけど寒いのでパス。鹿児島市随一の繁華街天文館まで歩く。今晩はこの辺の居酒屋で・・・と考えてたのだが予約したホテルからかなり遠いからどうなるか。市電を使えはどうってことないンやけど・・・。

ところで鹿児島市電はなかなか魅力的。センターポールという道路の中央に架線柱があるすっきりした路線。さらに軌道は芝生軌道。停留所には花壇が設置されており春なら花が咲き乱れているだろう。さらに車両もユートラムというLRVが幅を利かせている。ビルの看板や日本語の表示がなければヨーロッパのどこかの街の市電のようだ。

天文館から鹿児島港まで歩き対岸の桜島をパチリ。18:30にホテルにチェックイン・・・寒かった。 結局天文館へは行かず近くの居酒屋で黒豚のしょうが焼き、さつま揚げで一献。さすが薩摩、焼酎が徳利に入ってでてきました。10時過ぎにホテルへ戻る。 1月3日鹿児島は曇り。昨日は快晴だったけど夜中に雨が降ったらしい。

朝の桜島(鹿児島本線の車窓から)

今日は肥薩線隼人~八代に乗る。肥薩線は鉄道の弱点をさらけ出した路線。

鉄道は勾配に弱い。勾配を緩和するためスイッチバック(ジグザグに勾配を登り降りする)やループなどで勾配を緩和しながら山越えをする。当然すごい遠回りになり時間もかかる。肥薩線にはこの両方があり、輸送効率や時間効率を考えたら現代では捨て置かれるような路線である。

でも、JR九州は逆転の発想で景色はもちろんのこと、全国的にも珍しいスイッチバックやループ、さらに古い駅舎も含めて観光資源ととらえ、観光列車まで走らせた。そしてこれが大当たり。
常に乗客目線で鉄道をとらえているJR九州ならではである。効率と収益率ばかり考えているとしか思えない本州3JR(東、東海、西)とえらい違いだね。

肥薩線には特急「はやとの風」、普通列車「いさぶろう・しんぺい」という2つの観光列車が走っている。

特急「はやとの風」


今日はこのうち18切符で乗れる「いさぶろう・しんぺい」に乗る。全席指定の観光列車である。

「しんぺい」

区間は吉松~人吉間。ここには真幸(まさき)・スイッチバック、矢岳(やたけ)・日本3大車窓、大畑(おこば)・大ループの途中のスイッチバック駅という名物駅がある。ここをゆっくりのんびりたどる。
各駅には4分~7分間停車し、古い駅舎や施設をゆっくり見学できる。また途中絶景ポイントに来ると列車は停止し絶景を堪能できる。いささか観光ずれした感もなきにしもあらずだがなかなかにくい演出ではある。

「いさぶろう・しんぺい」とは明治の逓信大臣山県伊三郎、鉄道院総裁後藤新平からとった名称で、ともに肥薩線にゆかりがあるらしい。
列車の方は上り(鹿児島方面から人吉)が「しんぺい」下り(人吉から鹿児島方面)が「いさぶろう」。
上下で列車名が変わる。僕は上り列車だから「しんぺい」である。

スイッチバック駅、真幸はホントの幸せという縁起のいい駅名だが暗い過去がある。まあこの辺はいろんな史料があるのでここでは割愛するけど。

矢岳は旧国鉄が指定した日本三大車窓が望める駅。(三大車窓の他の二つは、長野県篠ノ井線姨捨駅周辺。北海道根室本線狩勝峠。<現在は消滅>)
眼下にえびの高原を望み、遠方は霧島連山という雄大な景色が広がる。

大畑駅は珍しい大ループの途中にあるスイッチバック駅。いずれも築100年を超える古い駅舎がそのまま残っている。


真幸(まさき)駅築100年の風情ある駅舎。


日本三大車窓の絶景ポイント。列車は停車する。
下に広がる平地はえびの高原。遠方は霧島連山。天気がちょっと残念。


肥薩線のサミット矢岳駅。標高536.9m。


肥薩線のループ線から望む大畑駅。スイッチバックでこの駅に進入する。


大畑駅。駅舎内にはここを訪れた人の無数の名刺が貼ってある。

肥薩線には吉松~人吉以外にも見所がある。隼人から吉松までの間に、嘉例川、大隈横川という駅がある。
これらの駅舎も先の真幸、矢岳、大畑とならんでこの線ができたころからの古い駅舎がそのまま残っているのだ。特に嘉例川は明治36年築という日本一古い駅舎である。
大隈横川の駅の柱には先の大戦での米軍機の機銃掃射の後が残っていたりする。


要は肥薩線には齢100年を超える駅舎がそのまま残っている駅が多数あるのだ。これだけ古いと寺社仏閣の趣さえ漂わせている。
新幹線の駅みたいな鉄とコンクリートの無味乾燥な駅舎が幅を利かせている今日、こういう駅舎は貴重だし、なにより木造の駅舎はなにか僕たちに和みを与えてくれる。と、思うがどうか?


嘉例川。明治36年築の日本一古い駅舎。


大隈横川駅。米軍機の機銃掃射の後がある。
今日は駅舎内で成人式があったらしい。

嘉例川は特急も止まる無人駅としても有名で、実は僕の乗った鈍行(鹿児島発9:40)のまえに9時25分鹿児島中央発、特急「はやとの風」が先発している。
この特急、10:20嘉例川に停車する。乗客の中にはこの列車で嘉例川に降り立ち、駅舎をじっくり見学した後、10:55分着の鈍行(つまり僕が乗ってきた)に乗り継ぐひとがいる。実際そういう人たちが嘉例川で乗り込んできた。実に小憎らしいダイヤではないか?

肥薩線は厳しい山越えの後、球磨川の流れに沿って進み人吉に到る。この辺も絶景の連続。八代~人吉間は8600形という大正生まれの古いSLが牽引する列車・「SL人吉」が運行されている。

今回の旅行のメインストリームはこうして終わり、八代から熊本、荒尾を経て博多着18;19、博多の西鉄インに投宿。目的達成。
明日は大阪に帰る日。Uターンラッシュの只中。どう帰るかはうまいもん食って、一杯飲んで考えることにすることにして、駅近の居酒屋に飛び込む。大きな汚い店だったが肴は最高。あら刺しと日本酒一献。あら刺しメチャウマ。身が甘い・・・値は張ったけど堪能したネ。

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1月4日、鈍行乗り継いで10時間かけるパワーがなかったから、どこかで新幹線でワープするつもりだった。どんなに混んでても。
1・博多から広島まで鈍行で行き、広島から新幹線。
2・広島または岡山まで新幹線。後は鈍行。
3・全部新幹線。デッキでもいい、座れなくても2時間半耐える。
と3案たてて、朝8時過ぎに博多駅へ。みどりの窓口で予約状況を見る。8:12こだま岡山行きに空席が・・・。ということで、ここで岡山まで新幹線に決定。

切符を購入しようとすると、19分発みずほに空席ありますよ。だって・・・
え?空いてるの?ニュースではほぼ全車満席と報道されてたのに・・・。やっぱりマスコミの報道はアテにならんね。

結局みずほ新大阪行きの指定券ゲット。ただし、岡山まで。ここは鉄ちゃんの意地。岡山から18切符で帰る。
9;57岡山着。やっぱ速いワ。ここから鈍行で相生、相生で新快速に乗り継ぎ13:30に大阪についた。
新幹線と、その対極にあるのんびりした肥薩線の旅。両極端を満喫した結構充実した今回の旅行と相成りました。

博多・はかた

新鳥栖・しんとす

久留米・くるめ

筑後船小屋・ ちくごふなごや

新大牟田・しんおおむた

新玉名・しんたまな

熊本・くまもと

新八代・しんやつしろ

新水俣・しんみなまた

出水・いずみ

川内・せんだい

鹿児島中央・かごしまちゅうおう

肥薩線(乗車順)

隼人・はやと

日当山・ひなたやま

表木山・ひょうきやま

中福良・なかふくら

嘉例川・かれいがわ

霧島温泉・きりしまおんせん

植村・うえむら

大隈横川・おおすみよこがわ

栗野・くりの

吉松・よしまつ

真幸・まさき

矢岳・やたけ

大畑・おこば

人吉・ひとよし

西人吉・にしひとよし

渡・わたり

那良口・ならぐち

一勝地・いっしょうち

球泉洞・きゅうせんどう

白石・しろいし

吉尾・よしお

海路・かいじ

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鎌瀬・かませ

一勝地・いっしょうち

葉木・はき

坂本・さかもと

段・だん

八代・やつしろ